2023.06.23 会長報告

皆さま

6月23日の会長報告です。
本日は、定時総会後の当会活動を、鎌倉市政との観点からざっと素描しましょう。

まず、新年度からの当会の活動は、それぞれあらたなにステージに入り、極めて活発に展開されていることをお伝えします。

1,まちづくりは人集めから、という視点の大切さ

鎌倉市は、第3次総合計画において人口減少に危機感をもち、「急激な減少を防ぐ人口誘導を図り、 鎌倉に住み、働き、学ぶ人、また鎌倉を訪れ、愛し、想う人のすべてを「まちづくり人口」としてとらえ、地域の活性化に向けて将来にわたりその確保に努める」としています。これが市として将来を見越した窮余のまちづくりの視点です。

鎌倉を愛して訪れる人々の数を含めて「まちづくり人口」と考えるというわけですからね。

 

10人の画像のようです

◆当会は、今まさに鎌倉の「まちづくり人口」のために貢献しつつあります。「駅からハイキング」では、鎌倉の玉縄城を愛し想う、推定4000人以上の人に来て頂きました。また今、文化庁事業、「玉縄城の真実を解明する体験型連続講座」には、重要な鎌倉の玉縄城5地点の遺構群の見学と講義に毎回30人の参加者に来て頂いています。玉縄城址の「現場に立つ」ことを大切にする知的な聴き手の存在が、講師陣の鋭い見解を次々に引き出しています。送り手と受け手が一体になって、この体験型連続講座をあらたな歴史発見の重要なイベントに仕立てているのです。

プロジェクト担当と講師の皆さま、ほんとうに、有難うございます。

4人、登山・クライミングをしている人の画像のようです

◆新年度から、毎月第2土曜日AM9:00から一括して行うことにした鎌倉の玉縄城址七曲坂と太鼓櫓市民緑地と拡大市民緑地の保全整備ボランティア―。6月10日は、専門学校生3人も含む13人に参加して頂き、真竹(筍!)管理も行いました。この城址美化ボランティアは、当会活動の原点です。ここにさらに多くの方々に参加して頂くことを願っています。「参加者がさらに参加者を呼ぶ」というサプライズ効果も起こる筈です。皆さま、次の7月第2週7月8日土曜日朝9;00、七曲坂と太鼓櫓市民緑地に集合しましょう!

 

◆玉縄歴史館の館内整備、一見地味な作業にみえるかもしれませんが、これも極めて重要な「まちづくり人口」を齎す基盤づくりのひとつです。

写真の説明はありません。

博物館の基本である展示品管理、資料カードづくり、バックヤード整備、Wi-Fi設置によるインターネット環境整備等、それらによって来館者が、資料展示を見やすくなり、歴史館ギャラリー展が映え、主婦感覚で進めている重文古民家の「季節の設え」の心配りも読み取ってもらえるでしょう。玉縄歴史館は、「鎌倉の博物館」として、学ぶ、遊ぶ、実践する「生涯学習の場」として、さらに多くの皆さまに来て頂けるよう充実させていきたい、そう思っています。

小田原市l北条五代観光推進協議会

◆この8、9,10月に、小田原の北条五代観光推進協議会(鎌倉市は観光課と市観光協会)が進める、北条氏改姓500年記念、北条五代ゆかりの地を巡る「デジタルスタンプラリー計画」に、当会も賛同し、玉縄城=玉縄歴史館として、協力することに致しました。これによって3月の「駅からハイキング」に続き、多くの城ファンが当地に参集する可能性があり、これも鎌倉、玉縄の地に、あらたな「まちづくり人口」を集めるための協力になる、と考えるわけです。

「人を集めること」、「まちづくり人口」を増やすこと、それがどのように地域を活性化させるか、そのことを念頭において、皆さまと一つ一つのプロジェクトを進めていきたいと思います。

2,まちづくりには協働共創が不可欠です

鎌倉市/鎌倉市民憲章

◆さて、鎌倉市の市民憲章冒頭には、こう書かれています。

お互いの友愛と連帯意識を深め、すすんで市政に参加し、住民自治を確立する

◆また鎌倉市は、2025年度までの第3次総合計画の冒頭に、こう謳っています。

SDGs、共生・共創の視点に配慮する、また、本市が取り組んできた持続可能な都市経営の理念のもとに、市民・市民団体・事業者・NPO・教育機関等の様々なステークホルダーとの「共創」関係を構築する

市民自治のまちづくり、そのために行う産官学民との協働共創―それは当会のボランティアの基本理念であり基本戦略でもあります。まちづくりは、ボランティア精神をもつ当事者同士が協働共創することによってはじめて前に進みます。それは私たちが17年活動して学んできたことです。これまで進めてきた城址遺構七曲坂や太鼓櫓の市民緑地の整備にしても、今や鎌倉の博物館として学芸員も展示も充実してきた玉縄歴史館にしても、それらは産官学民との協働共創の成果に他なりません。

◆都市マスタ―プランを実現するための協働共創

鎌倉市には、市政の「総合計画」のほかに、市民も参加して制定した長期的まちづくり方針としての「都市マスタ―プラン」があります。(*そこには玉縄城址の公園化構想もある)

鎌倉市/鎌倉市都市マスタープラン(平成27年9月)

当会は2023年度、都市マスタープランの地域拠点構想を、市の担当と「協働」して進めていくための検討作業に入りました。例えば、「玉縄城域の歴史トレイル構想」=都市計画課長、「玉縄城址歴史地域の表示板設置」=観光課長、「市民緑地七曲坂南尾根の導入路改修」=みどり公園課長、「玉縄城跡史跡指定の促進」=文化財次長、さらに企画課長、教育長、副市長、市長との連携協議も行う予定です。

◆そのうち特に「玉縄城址の史跡指定」は、玉縄城址をランドマークとする地域づくりをめざす私たちの悲願とも言える課題です。H27年8月、文化財専門委員会において「指定の方針」は決定されましたが、しかし、その後、指定のための調査や地権者説得など条件整備作業は、「順番」を理由に、全く進んでおりません。そこで今年度は、市議会にも問題提起し、当会、市担当課、市議会の「三者協働」の課題に持ち込むことによって早急な指定作業の促進を図る計画です。

◆「玉縄城まちだより23号」を、8月~9月には発行する予定です。ここから、史跡指定等をテーマに、市民行政の協働共創の大切さを訴えるキャンペーンに進めることを考えています。

◆なお、広報活動としては、当会のHPサイトtamanawajo.jpそしてFacebookが、あらたな広報担当の努力によって充実してきました。ここでも上記キャンペーンを行いますので、皆さま、是非とも閲覧してください。

◆7年続いた文化庁補助事業が今年中に終了します。(*名称は文化庁補助金事業でしたが、地域のまちづくり活動においては文化庁も市民も対等のステークホルダーですから、私の認識では「市民と文化庁との協働事業」に他なりません。)この事業内容を引き継ぎ、共に目標を共有し合えるあらたな協働共創の相手先を考えています。

3、ボランティアの定義

ボランティアは、「志願者」「有志者」という意味を持つ言葉です。11人の画像のようです

自分の意志で、自分のやりたいことやれることを、周囲と協力しながら、無償で行う活動のことをいいます。活動を通じて、いろいろな価値観や個性を持った人たちと出会うでしょう。金銭の見返りではなく、精神的な満足感を得るでしょう。―これによって、ボランティアにあたる人の顔が、何故、こんなに朗らかないい顔になるのか、ご納得がいくと思います。

皆さま、玉縄城址まちづくり会議のボランティアに参加しましょう!

 

本日の報告は以上です。有難うございました。

 

2023・06・23

玉縄城址まちづくり会議

会長 荒井 章